2007年12月02日

大人のための食育

● 食の安全で情報交換 初の日中ハイレベル経済対話
   2007年12月1日 22:31 くまにち.コム


高村外相(右から3人目)らが出席し、北京の人民大会堂で開かれた日中ハイレベル経済対話=1日午後(共同)

北京1日共同 / 日本と中国の閣僚が、経済分野の課題を話し合う「日中ハイレベル経済対話」の初会合が1日、北京で開かれ、食品問題の情報交換強化や、省エネ技術提供など環境分野の協力で一致した。 今年4月に中国の温家宝首相が来日した際、設置に合意し、戦略的互恵関係を深めるのが狙い。 日本側から高村正彦外相ら6閣僚、中国側は曽培炎副首相ら7閣僚がそれぞれ出席、「食の安全」や環境問題を中心に意見を交わした。

日中ともに大きな問題となっている「食の安全」をめぐっては、信頼が揺らいでいる中国産食品の安全性の向上に向け、日本側が技術面などで協力することを表明。 双方が知恵を出し合い、問題解決を探る構えだ。

環境問題では、中国が公害と地球温暖化への対策を同時に実現できるよう、作業部会の設置で合意。 経済成長にともなって公害対策に取り組んできた日本の経験や技術を、中国側に提供したいとしている。



熊本日日新聞・2007年11月11日(日)社説 / 生活法令総点検  生産第一の姿勢を見直そう

食品や建材など「衣食住」に絡む偽装問題が続発している。 福田康夫首相もたまりかねたと見え、全閣僚に対して、国民生活に直結する法令、施策の総点検を指示した。

点検結果は早急に報告することになっている。 場合によっては法改正を検討するほか、緊急性があるものは年内に具体策を講じるという。

ほぼ連日明らかになる不祥事に、いら立ちを覚える国民の立場になれば当然の指示だ。 成果を見守りたい。

偽装が発覚した食品の産地を日本地図に落とし込むと北は北海道から、南は宮崎まで広がる。 なかでも、北海道の「ミートホープ」は豚や鶏などを混ぜたミンチ肉を「牛100%」などと偽装して販売したとして、また、奈良の「三輪そうめん」は中国産そうめんを産地偽装したとして、それぞれ元社長らが逮捕されている。

北海道の「白い恋人」、秋田の「比内地鶏」に伊勢名物の「赤福」「御福餅」。 船場吉兆は大阪本店や福岡のデパートで。 いずれも消費、賞味期限切れの菓子や総菜などを販売したり、産地の偽装をしていた。

建材メーカーによる耐火壁の性能偽装も見逃せない。 ニチアス(東京)は火災の延焼を防ぐため住宅の軒下などに使われている耐火壁に、国土交通相の認定を受けるための試験の際、部材の一部に水を含ませるなどの偽装工作をしていた。 五日には、東洋ゴムが断熱パネルの不燃性能を偽装していたと国土交通省が発表した。

食と住まいという生活の根幹を成す部分の不正は、安全・安心に暮らしたいという国民への裏切り行為だ。 両者に共通するのは、コスト削減や営業本位、消費者無視の経営姿勢。 老舗と呼ばれるところも例外ではない。

オーナー経営で世襲という閉鎖的な企業体質を指摘する声もあり、内部告発の放置や不正の隠蔽が不祥事を許してきたと言っていい。 不正行為の結末が企業の存立基盤そのものを奪いかねないことは過去の例が示している。 企業や経営者が襟を正すのは当然だ。

注目したいのは「これまで政府の仕事のやり方は『生産第一』の視点だったので国民の安全・安心という視点が政策の中心になっていないのではないか」という福田首相の指示である。

ミートホープの事件では、内部告発を受けた農林水産省の農政事務所が、北海道庁との連携が不十分なまま対応を放置。 赤福の偽装問題で三重県は偽装発覚した八月の通報以前にも二回通報を受け、担当者の事情聴取や立ち入り検査を行いながら違反を見逃し、農水省への連絡を怠っていた。

ミートホープの食肉偽装表面化後、農水省に寄せられる内部告発は昨年の月百十件前後から、今年七月~九月の三カ月間では計約一千件に急増した。

福田首相の指示が実効を挙げるには行政に携わる関係者が、国民の側に立つという明確な視点や姿勢を持つことが不可欠だ。 首相は薬害肝炎訴訟について、国がこれまで否定してきた責任を事実上認めた。 今回の指示も、その延長線上にあると受け止めたい。



● 熊本日日新聞・2007年11月11日(日)新生面 / 不覚の秋

味覚の秋も、今年は少々首をひねりながら食している人もいるのではなかろうか。 先月(10月)だけでも、赤福、比内鶏、船場吉兆、御福餅本家、ミスタードーナツを運営するダスキンで、消費期限や原材料の偽装、賞味期限切れ材料の使用などが発覚した。 どうやら“不覚の秋”らしい。 

先日、食の安全性に対して諸外国から批判を浴びる中国を取材で訪ねた。 上海市の缶詰会社には「品質は泰山より重い」と記した横断幕があった。 泰山は、中国五岳の一つに数えられる霊山。 日本なら「品質第一」だろうが、そこは格言豊かな国、スローガンも味がある。

横断幕を掲げた時期を尋ねたが、徹底した検査体制を力説するばかりで返答がない。 何度か聞いて、ようやく二〇〇三年と分かった。 恐らく、このころから政府の指導が厳しくなったのだろう。 

北京市の食肉処理会社は「霧が深くて飼育場から豚が運べず、本日は休業」と言う。 解体施設では従業員が水を流して床を洗っている。 帰る途中、豚と羊を載せたトラックとすれ違った。 合点がいかない。 解体作業までは見せたくなかったのだろうか。

国際的批判の高まりや北京五輪を控え、中国政府は食の安全性向上と環境改善に躍起になっている。 取材を受け入れた会社はどこも設備は整っていたが、人口十三億人の巨人では、号令も手足の先まではなかなか届かないようだ。

だが、中国ばかりを批判できない。 日本の食品会社の不正も、消費者を欺いた点は同じだ。 「泰山の安きに置く」とは、揺るぎなく安定させる例え。 一度失った信頼を再び揺るぎないものにするのは、容易ではない。



● 熊本日日新聞・2007年11月15日(木) 射程 / 「船場吉兆」の言い分

日本人のブランド志向を巧みに突いたのだろうか。 高級料亭吉兆のグループ会社「船場吉兆」(大阪市)で、消費期限や原材料の虚偽表示など次々と不正が発覚している。 のれんを傷つける一大事のはずだが、同社の釈明は説得力に欠け、信用をなくすばかりだ。

不正は匿名の電話をきっかけに、福岡市の百貨店「岩田屋」にある船場吉兆の店舗で発覚した。 岩田屋などの調査では、消費・賞味期限を張り替えた菓子類計三千四百六十五点を、昨年一月から今年十月までに販売したという。

さらに「地鶏」はブロイラー、「但馬牛」は佐賀や鹿児島県産だったことも明るみに出た。 「吉兆」ブランドならば疑われないと高をくくっていたのだろうか。

菓子類は「販売員の判断で期限を張り替えた」、牛肉の偽装表示は「仕入れ担当者がやった」と、船場吉兆は言う。 現場が勝手にやったことと言っているが、本社は商品管理をしていなかったのか。 菓子類の販売責任者は十四日、期限の張り替えを「社員は全員知っていた」と組織ぐるみだったことを明らかにした。この発言はどう説明するのだろう。

一方、ブロイラーについては「仕入れ先は二十年来の付き合いで信頼していた」と釈明した。 だが、納入業者は普段から地鶏は扱っていないという。 自分たちは被害者と言いたいのだろうが、この言い分も「自社には地鶏とブロイラーを見分ける技量がない」と公言しているようなものだ。

船場吉兆の説明は、責任転嫁にしか聞こえない。(桑原)




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